貨客混載と今後の物流
以前のブログでも取り上げましたが、現在の物流において人手不足という問題は軽視できない重要な問題であり、その解消法として「貨客混載」が注目されています。
これまでに路線バスやタクシー、鉄道(在来線)、旅客機等での貨客混載は行われていましたが、先日のニュースで九州新幹線と大手物流会社が貨客混載における提携の合意を発表しました。
博多-鹿児島間を輸送するもので、昨年車内販売を終了したことで車内販売用に使用していたスペースを有効活用し、宅配物を積み込むもので、実証実験を重ねて1年以内に事業化できるかを判断するとのことでした。
また、東北新幹線を利用した都内への鮮魚などの輸送や北海道新幹線でも実験が行われており、新たな輸送手段として期待されています。
新幹線の性能アップとともに移動時間が短縮され、以前は海外のような長い時間ゆったりと過ごしながら移動していた頃にあった食堂車が姿を消し、カチカチに凍ったアイスクリームを買ってなかなか融けないのを楽しんだ車内販売も無くなり、寂しい気持ちにもなりましたが、確かに車内販売で購入している方もあまり見かけなくなっていたように思われます。真ん中の通路をパーサーさんが声をかけるも誰も買わず次の車両へ向かわれる姿は、ここ最近新幹線を利用していて感じていました。
そんな中少しでも物流における人材不足の解消と余剰スペースを有効活用すべく考えられたこの方法は今後広がっていくと思われます。
また全く別の切り口からの新たな物流の考え方として、今年半世紀ぶりとなる新たな山手線の駅として開業した高輪ゲートウェイ駅では無人で蕎麦の注文から決済、デリバリーまでこなすロボットを導入し、話題となっています。
高輪ゲートウェイ駅では省人化、無人化を積極的に導入しており、清掃や警備、案内を行うロボットが行きかい、無人のコンビニが常設され、AIが棚から動いた商品の重量と赤外線等のカメラ50台で客の動きを感知してこの人物が何を買おうとしているのかを判断し、レジならぬ決済ブースに向かうと購入しようとしているものがタッチディスプレイに表示され、交通系電子マネーで決済を行う仕組みとなっており、今後はその他の電子マネーやクレジットカードに対応していくそうです。
さらには駅だけでなく首都圏を走る在来線をワンマン化する計画がされており、埼玉(大宮)から東京を経て神奈川(横浜桜木町)さらには根岸線へ相互乗り入れを行っている京浜東北線は2024年をめどに実現を目指す計画との報道がされ話題となりましたが、実際ゆりかもめや舎人ライナーなどは無人で運行されており、本数や乗客数等は違うので今すぐ同じようにはいかないものの、コロナの影響もあり、今後省人、無人化は進むと考えられているようです。
アメリカではドローンによる宅配が認可され、今後アメリカの空は荷物を抱えたドローンが飛び交うことになるわけです。
またそのドローンを人が乗れるよう大型化し、タクシーとして運用しようとする開発も進められており、先日実際に有人で空中へ浮かぶテストが成功したニュースが流れていました。
このようにコロナの影響もあり、物流の新たな試みが加速しています。