物流現場を変えるミルクラン方式(巡回輸送)

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物流現場を変えるミルクラン方式(巡回輸送)

物流現場を変えるミルクラン方式(巡回輸送)

大手製造メーカーや部品組み立てを中心とするサプライヤーで採用されている物流の輸送方式の一つミルクラン方式(巡回輸送)をご紹介いたします。

・ミルクランとは

牛乳メーカーが原料となる生乳を調達、各牧場を巡回して集荷および容器の配送をすることから名づけられた輸送方式と言われています。

通常の個別輸送方式は、組立工場に各サプライヤーが個別に輸送していました。
個別に輸送することでのサプライヤー側の問題点としては、1個輸送しても100個輸送しても、1回の輸送コストは変わらないという事。
納入数量が少ないと、輸送効率が悪くなるという事。

組立工場側としては各サプライヤーがそれぞれのトラックで輸送されるので、受入回数増大による受入手間・トラックの混雑・渋滞などによる公害・近隣住民へ迷惑をかけてしまう等がありました。

そこで解決策としてあげられたのがミルクラン方式になります。

各サプライヤーが個別に輸送していた部品を、1台のトラックが巡回して回収する事で、輸送効率を上げ、組立工場に入場するトラックの数を減らす事が可能となります。

輸送効率を上げる事で、1回の輸送費を抑える目的も果たす事が出来ます。

上記で述べたとおり、サプライヤーは1個でも100個でも1回の輸送コストが変わらないため、輸送費を高く見積もる必要がありました。
これは、メーカー・組立工場は、計画に拠らない在庫を抱えないために、必要な数量分だけの輸送をお願いする傾向が強くなっている為です。
過去のバブルの時代であれば、発注10個に対して100個製造しても受け入れてくれていたものが、10個しか受け取ってもらえなければ、90個は在庫となり、サプライヤー様の負担となります。
また100個を10回に分けて納品するため、それだけ輸送コストが高くなる問題もあったのです。

ミルクランであれば、各社を巡回して輸送効率を上げた状態で輸送費を計算出来るため、一つの部品に高く見積もっていた輸送費を適正な価格に下げる事が可能となります。

それだけではなく、トラック便を減らす事で、そこに掛けていた人員を削減出来るため、相対的に部品価格を適正な価格に抑える事が可能となったのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか、物流現場では、いままで当たり前にされていた、個別輸送方式が見直され、ミルクラン方式が注目されています。
ミルクラン方式は、組立工場が中心となり各サプライヤーの協力のもと成り立つ方法であるため、導入時には相応の労力が必要となります。
部品単価の見直し、輸送費の算出、車両の選定・配送ルートとやることは多いですが、労力に見合うだけの効果は期待できるのではないでしょうか。

参考文献
ミルクラン輸送
https://www.nittsu.co.jp/truck/services/milkrun/

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